PROJECT
STORY
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IGCC(石炭ガス化複合発電)*1 技術を用いた発電所における
資産管理システムの構築・運用プロジェクト。
*1 IGCCは石炭をガス化し、コンバインドサイクル(ガスタービンと蒸気タービンの組み合わせ)により発電するもの。
同規模の従来型発電所より高効率で、CO2排出も約15%低減している。
大型発電所に関わる設備を資産として
的確に管理するシステムを構築・運用
MEMBER
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N.K
1994年入社
入社後、ホテル・自治体・学校等の一般市中案件に約15年従事後、三菱重工長崎造船所の調達管理・設備管理等のシステム開発をプロジェクト・マネージャとして担当。
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K.M
2008年入社
ベンチャー系のシステム会社を経て入社。入社後、半導体製造会社に派遣されサーバ保守・プログラマ・SEを務めた後、本プロジェクトをグループ・リーダとして担当。
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T.Y
2007年入社
入社後、三菱重工長崎造船所タービン工場に派遣され、NCプログラムの作成を約11年担当した後、本プロジェクトをSEとして担当。
3人のSEが、
自らの取り組みを振り返る
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今回のプロジェクトでの私の役割は、マネジメントでした。当初、プロジェクト・マネージャ(PM)が2人いて、私はサブPMとして2人を補佐していました。PMの役割は、お客様とコミュニケーションを取りながら、QCD(品質・コスト・納期)を管理し、プロジェクトがスムーズに進むようにコントロールすること。2019年12月に最初のリリースを行った後、安定稼働となる2021年3月末までは、私がPMとなってプロジェクトをまとめていました。
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今回のプロジェクトは、主に発電所の設備を管理するためのシステムの構築・運用を行うものです。設備と一口に言いますが、超大型の機械なので、多数の部品が組み合わさって作られており、設備管理も計画的に進めなければなりません。私たちが手がけているのは、計画、日々の作業報告、予備品の管理、不具合の管理、運転管理、保全管理など、さまざまな業務を管理するためのシステムです。その中で私は、操作する人が見る画面を構築するチームのプロジェクト・リーダを務めました。
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私はK.Mさんのチームのメンバー。じつはそれまで主に三菱重工長崎造船所のタービン工場に派遣され、NCプログラム(数値制御プログラム)の作成に従事していました。このため、今回のような大規模なシステム開発の経験がなく、ゼロからのスタート。仕様に沿って設計やテストを実施しましたが、K.Mさんには、初歩の初歩から教えていただきました。
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T.Yさんは、プロジェクトの進行に合わせて実務の必要性に迫られ、一つひとつ学んでいった感じでしたね。
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今回のシステムでは、データベースが重要な役割を果たしていますが、データベースを制御する言語であるSQLを作成した経験がなく、四苦八苦しながら覚えていって、最近ようやくスムーズに作成できるようになりました。
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このプロジェクトを通して、K.MさんもT.Yさんも大きく成長してくれました。プロジェクトのスタート当初は苦言を呈する場面もありましたが、最近はなかなか頼もしい。二人とも次代を担うリーダとなる基礎を築いたと思います。
熱い議論を交わしながら奮闘
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システム構築は、毎日のように「なぜこんなことが起こるのか」と頭を抱えるようなことが起こります。ある程度経験を積むと、そういうものだとわかってくるので、何か困ったことが起きても、逆にそれを解決することが楽しくなってくるものです。K.Mさんは、いちばん苦労したのはどんなことでしたか。
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N.Kさんのように、「問題を解決するのが楽しい」などという境地にはまだ到達していません(笑)。いちばん困ったのは、画面がクラッシュして動かなくなった時。原因がなかなかわからず、途方にくれました。結局、NTTデータの本社に頼んで、性能問題を解決するプロフェッショナル「まかせいのう*2」チームから専門家を派遣してもらい問題を解決しました。長時間操作しているとメモリがオーバーフローを起こすことが原因と判明したのですが、その原因追究の手法は、自分にとっては初めてのもので、NTTデータの技術力はさすがだなと思いました。
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私たち3人は、三菱重工系のシステム会社出身なので、お客様とのリレーションは深いものがありましたが、NTTデータの持つ技術力やプロジェクトの進め方は、とても勉強になりました。NTTデータが提供している「TERASOLUNA*3」という開発手法を採用したのですが、たとえば要件定義一つとっても細部まで詰めていく。私たちの従来手法とはかなり異なっていました。
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ここまで詰めるのか!と驚きました。画面に表示されるボタンのサイズまで要件定義段階で決めていましたから。
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そうでしたね。でも、そういう姿勢が品質を担保するために必要なことなのだと、徐々にわかってきました。その分、見積価格は上昇して、お客様との折衝では汗をかきましたが、納品後、お客様から品質について非常に高い評価をいただけたのは、NTTデータの持つ技術力やノウハウがバックボーンにあったから。T.Yさんは、そもそも開発プロジェクトが初めてでしたが、どんなことが印象に残っていますか。
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毎日、すべてのことが新鮮で勉強になったのですが、プロジェクトの雰囲気がとてもよかったと思います。N.Kさんがおっしゃったように、毎日、いろんな問題が起きましたが、それぞれがプロフェッショナルな立場から意見を出し合って、最善の道を見つけていく。ああ、これがシステム開発の醍醐味なのだなと感じました。そういう真剣な議論をしている一方で、メンバー同士、冗談も言い合っていたので、楽しく仕事に取り組めました。
- *2 「まかせいのう」は、システム開発・運用における「パフォーマンス」をキーワードにした数多くの対応実績を元に、ナレッジを集約したNTTデータの性能プロフェッショナルコンサルタント。
- *3 TERASOLUNA(テラソルナ)は、「フレームワーク」、「開発プロセス」、「プロジェクト管理」などの技術やノウハウを組合せ、システム開発を包括的にサポートするNTTデータのソリューション。
長崎地区で活躍する
若手に大きな期待
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プロジェクトは途中からリモートでのコミュニケーションになりましたが、二人はどのように受け止めていましたか。
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そこはほとんど気になりませんでした。
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遠隔地だから難しいと感じたことはなかったと思います。私はいま保守・運用に関するエンドユーザの窓口役を務めているので、離れた場所とのコミュニケーションは続いていますが、システムを使用している人からの生の声を聞くことができて、とても勉強になっています。
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K.Mさんは、PLを務めたわけですが、心がけたことは何かありましたか。
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自分を含めて7人のチームでしたが、メンバーのやる気をいかに引き出すかがポイントでした。業務の集中度合い、体調、休息などの観点を考慮しながら、メリハリのある働き方ができるように仕事を割り振っていました。また、N.Kさんからよく言われていたことですが、何か問題があったら、隠さずに報告するように心がけました。
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「イヤなことほど早く報告を!」と口を酸っぱくして言っていましたから(笑)。
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あまり報告したくないことって、正直、あります。自分のミスは隠したいという心理が働いてしまいますね。
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隠してもいずれ、バレるから(笑)。それで、対応が遅くなるほど解決が難しくなる。言いにくいことも、きちんと言える関係であることが、チームで仕事をするうえで大切なこと。T.Yさんは、今回、たくさんのことを吸収したと思いますが、これから入社してくる後輩に期待するのは、どんなことですか。
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やる気、です。正直、システムのことは、そんな知らなくても勉強していけばいいだけのこと。新人はわからないことがあって当然で、優しい先輩が教えてくれるので心配しないで飛び込んできてほしい。
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仕事を通して自分を磨いていこうという気持ちが大事ですね。プロジェクトでは、結構、熱い議論も交わしますが、他の人の考え方を学ぶ機会にもなっているので、切磋琢磨して成長していこうという気持ちが大切だと思います。私自身の夢は、PMとして大規模なプロジェクトに挑戦することです。
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世界に誇るものづくりをしている三菱重工の仕事をシステム面で支えることはやりがいがあります。また、NTTデータが培ってきた世界トップレベルの技術やノウハウを吸収できるのも魅力的なこと。前向きで素直に仕事と向き合ってくれれば、一流のSEに育てる自信があるし、そのような恵まれた環境だと思います。長崎は三菱重工の創業地でもあるので、私たちもプライドを持って働くことができます。あと「長崎は暮らしやすい、いい街ですよ」と付け加えておこうかな(笑)。
LOCAL INFORMATION
長崎のここがいい!
今回紹介したプロジェクトのメンバーは、全員が長崎県出身。
長崎という街の魅力について、それぞれの想いを紹介します。
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魚が美味しい
お酒を飲むには、いい街です。魚がとても美味しい。また、ほどよく田舎で、適度に都会というところも暮らしやすいと思います。
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歴史を感じる街
歴史を感じる街です。海外との窓口だった出島や、英国商人の家グラバー邸、大浦天主堂などは有名。世界遺産もあって見どころ満載。
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釣り人の聖地
釣り好きの人には聖地。県内、どこも海が近く、遠方からも釣り人がやってきます。私も小学生の頃から釣りを楽しんでいます。