NTTデータMHIシステムズ × 「TOMONI®」アプリ開発・展開、運用改善プロジェクト

NTTデータMHIシステムズ × 「TOMONI®」アプリ開発・展開、運用改善プロジェクト

現場に寄り添った提案・システム開発で、発電所の高効率稼働・脱炭素化を支える。

OUTLINE

三菱重工のお客様である電気事業者の各発電所の自動自律運転を目指し、2017年に始動したDX支援事業「TOMONI®プロジェクト」。発電所の収集データをもとにした効率的なオペレーションとメンテナンスの提案で、脱炭素化に向けて「お客様と共に」課題解決を行っています。NTTデータMHIシステムズでは、TOMONI®の各種システム開発やアプリケーション展開を広く実施。ところが長年の運用に伴い、運用作業やコストのムダが生じる状況に。さらなる省力化を目指し、2023年に運用改善のプロジェクトを発足しました。

J.I

J.I

第1事業部システム3部サービスグループ
グループ長
2009年入社

入社以来、製造・サービス関連のシステム開発に従事し、TOMONI®プロジェクトの前身であるアフターサービス事業のシステム開発を担当。現在は高砂を拠点にサービスグループのマネジメントに携わっている。

Y.M

Y.M

第1事業部システム3部サービスグループ
サービス2チーム
2020年入社

入社後、プログラマー兼SEとして、発電所が使用するTOMONI®のWebアプリケーションの開発と維持・運営に携わる。2023年10月からTOMONI®の運用改善プロジェクトのリーダーを務めている。

M.F

M.F

第1事業部システム3部サービスグループ
サービス2チーム
2023年入社

大学でシステム工学を専攻後、入社。初めての担当案件であるTOMONI®プロジェクトでプログラマーとして、既存機能の改善や新機能の設計・実装の提案に向けたWebアプリケーション開発を担当している。

PROJECT FLOW

2015~

TOMONI®プロジェクト発足

三菱重工の電力事業者向けDX支援事業として始動。構想段階からシステム開発に参画。

2017~

各種システム開発・アプリケーション展開

各発電所への提案に必要なコンテンツに合わせて、システム開発やアプリケーションの展開を実施。

2023/10~

運用改善プロジェクトが始動

ローコード開発ツールを用いて開発リソースの台帳を整理し、TOMONI®運用の効率を改善。

2025/04現在~

発電所以外の分野での技術活用を展開

蓄積されたビッグデータとノウハウを活かし、航空・宇宙分野への活用を展開中。

SECTION 01

プロジェクトのミッション

長年のTOMONI®運用で生じていたムダを減らし、運用の効率化に貢献

J.I
J.I
TOMONI®プロジェクトは2017年、三菱重工のお客様である電気事業者の各発電所の安定的・効率的な自動自律運転を目的にスタートした、DXソリューション事業です。発電所が蓄積・収集したデータをもとに、稼働効率や異常検知などの情報をクラウド上に可視化し、設備の性能向上や運用性の改善、スマート保全に向けた支援を行っています。
当社は本プロジェクトの構想段階からシステム開発に参加しており、私もメンバーとして関わっていたつながりで、お客様に困りごとやトラブルが生じた際に直接出向いてご相談いただく機会を設けています。TOMONI®のベースとなる各種システム開発は概ね収束しており、今は運用にかかる手数を減らす、効率化に向けた運用改善のフェーズに移行しているところです。
Y.M
Y.M
私の所属するチームでは、TOMONI®のアプリ開発のプロジェクトマネジメント支援や運用改善に向けたローコード開発支援を行っています。入社当時、私は開発側に携わっていましたが、今は運用改善プロジェクトのリーダーとして、お客様へのヒアリングをもとに要件整理や基本設計などを主に担当しています。
TOMONI®は国内外90の発電プラントに導入されており、各社に合わせたコンテンツをもってソリューションの提案が行われています。その一方、長年運用されていくなかで、アカウントやWebアプリ、サーバなどの開発リソースの台帳が整理されていない状況がありました。そこでこれらの台帳管理の仕組みを改善し、TOMONI®プロジェクトの効率化につなげるという新たなミッションが生まれました。
M.F
M.F
TOMONI®プロジェクトは、私にとっては入社後初めて参加した大型案件で、プログラマーとしてアプリ開発を担当しています。Y.Mさんが作成した設計書に沿って開発を行うのが私の役割で、新機能の設計と実装、既存機能の改善、バグ修正などを通して、アプリの品質向上に努めています。開発に用いるツールはさまざまで、Microsoft Power AutomateやAzure Logic Appsなどを用いたローコード開発、C#、JavaScriptを用いたWebアプリの開発などがあります。TOMONI®の運用改善プロジェクトで私は初めてローコード開発に挑戦し、Webアプリの開発においてはUIデザインの勉強やロジックの効率化にも挑戦しました。日々、新しい知識を身に付けながら研鑽に励んでいます。
プロジェクトのミッション
SECTION 02

課題解決のポイント

ローコード開発ツールを用いて台帳整理の自動化を提案!

Y.M
Y.M
TOMONI®のシステム開発には200名規模の人が関わっており、開発されたWebアプリのなかには、開発担当者やサーバ情報などが厳密に管理されていないものが多くありました。そうすると、たとえば脆弱性対応などをするとき、まずソフトが入っているサーバの所在情報を探し、バージョンアップのリスクがないかなど一つずつ担当者に聞かないといけません。担当者レベルで聞けばすぐに分かることもありますが、ムダが非常に多く生じていたのです。そうした手作業を減らすためにローコード開発ツールを用いて、各管理項目が自動的に台帳へ反映される仕組みを提案しました。
また、各電力事業者に提供しているTOMONI®のコンテンツはそれぞれ異なるため、以前はそのリスト化を手作業で行っていました。そこでこれらのコンテンツを1つのExcelファイルに半自動で集約できる仕組みを提案し、運用の効率化に貢献することができました。これはプログラマーやSEとしてTOMONI®プロジェクトのシステム開発を経験したからこそ提案できたものだと思います。
課題解決のポイント
課題解決のポイント
J.I
J.I
当社はシステム開発を請け負うだけでなく、Y.Mさんのようにお客様の要件整理から参画しているメンバーもいるため、実際に業務を回している方の生の声を聞けることが特徴ですよね。外部のベンダーだと、システムで何をやりたいのかという話に終始しがちですが、その手前から何が必要かを議論し、近くでサポートできるのが当社の強みだと思います。発電所は一回稼働を止めると莫大な損害が生じるため、稼働を止めないことが極めて重要です。そのなかで、たとえば発電所側の連続起動による設備機能の故障を防ぐためにはどうすれば良いのかなど、お客様の業務を知っていないとできないような議論や提案をお客様に寄り添ってできるのはこのプロジェクトの魅力でもあります。
M.F
M.F
私はまだ知識不足のため、直接お客様に対して提案することは難しいものの、開発者として作業をするなかで、先輩や上司に自身の考えをきちんと伝えることで、より良い改善方法を模索しています。たとえば先輩が作成した改善ロジックの設計書を確認するときには、「もっとこの点を考慮した方が良いのではないか」と、自分の視点で考えられることを都度確認しながら進めるように心掛けています。また自分で考えた改善点をまとめて提示すると、先輩が一つひとつ理由を添えて採否の有無を教えてくれるので、自分のなかでもどんな点を考慮すべきか視点が広がってきて、パズルを解くような面白さを感じるようになりました。
課題解決のポイント
SECTION 03

メンバーとの関わり、チームワーク

お客様との距離の近さが、厚い信頼関係を生み出す

Y.M
Y.M
私たちが業務を行っている事務所は、発電用ガスタービンを製作する三菱重工の製作所に近接しています。物理的にお客様との距離が近いので、集中的に検討を進めたいときなどは構内に出向いて顔を合わせて話し合うことも多いです。本プロジェクトでも、今の運用状況を整理して、自動化できる部分と手作業でやらなければいけない部分について、ホワイトボードを使って認識のすり合わせをし、TOMONI®のあるべき姿を共有することができました。プロジェクトリーダーを務めるまではお客様と直接話すことがほとんどなかったので、最初はぎこちなさもありましたが、プロジェクトを通して信頼を寄せていただけるようになりました。
J.I
J.I
初期プロジェクトでのつながりが起点となって、配属先が変わっても各拠点のメンバーとの協力やお客様との交流の輪も広がっています。そのご縁で、今回プロジェクトリーダーとしてY.Mさんを紹介したところ、「相談がスムーズにできる」と大変評価していただき、他の案件もご指名で相談されることが増えました。私の立場上、人の能力や個性、案件との相性などを見て、常に変化するプロジェクトにどう立ち向かうのが一番効果的なのかを考え続けているわけですが、Y.Mさんがお客様の信頼を得ている姿を見るとやはり嬉しいですよね。ゆくゆくはM.Fさんにも、「M.Fさんに仕事を任せたい」といわれることを目指してほしいと思っています。
メンバーとの関わり、チームワーク
Y.M
Y.M
M.Fさんは自分が作成した設計書に対してよく指摘をしてくれるので、本当に助かっています。最初のうちはどのように指摘するのが良いのか、表現の部分で迷うところもあったと思いますが、今では指摘だけでなく質問も自発的にしてくれるので、成長を感じています。
M.F
M.F
アプリ改修の作業では、思い通りに作動しないことが数回あり、実装に苦戦もしましたが、エラー原因が分からず先輩に相談すると、すぐに原因を見つけてサポートしてくださいました。資料について気になった点を確認したときには、問題がなかった場合でもその理由を丁寧に説明していただけるので、理解を深めることができています。また指摘した点について、「良い指摘だと思う」という言葉をいただいたことがあり、大きな自信につながりました。Y.Mさんをはじめ先輩に質問や相談がとてもしやすい環境なので、これからもいろいろなものを吸収していきたいと思います。
メンバーとの関わり、チームワーク
SECTION 04

成果とやりがい

一つひとつの運用改善がエネルギーの安定供給につながる喜び

M.F
M.F
TOMONI®プロジェクトのことは入社前から知っていましたが、どれくらいの規模の事業なのかはまるで見当がついていませんでした。入社して実際に関わるようになった今も、自分はどこまで関われるのか正直分からないくらい規模の大きさを感じています。でも自分が取り組んだ仕事が採用され、システムの改善につながったという話をY.Mさん経由で聞いたりすると、実際にプロジェクトで活用されていることを実感できます。あるアプリ開発ではWeb画面の挙動に関わる難しい実装に挑戦し、三菱重工の方々から好評の声をいただくことができました。開発過程では、明確な完成形がないままお客様と調整しながら具体化を進めることが多いですが、こうした一つひとつの業務がお客様の業務発展につながっていると思うと、とても嬉しいです。
Y.M
Y.M
M.Fさんのこの仕事は、本当に大絶賛されていましたね。私も、お客様が必要な情報を高速で表示させるツールを作ったところ、「作業が瞬時に楽になった」という声をいただくことができて嬉しかったのを覚えています。さらにプロジェクトリーダーになった今、Iさんが話したような先々の計画を見据えた設計の提案ができると、「開発が分かっていると話がスムーズにできて助かる」という声をいただくことが増えました。私たちが行っている運用改善は直接世の中に影響があるものではありませんが、運用面の無駄なコストや労力の削減を通して、最終的に発電というエネルギー分野の効率改善に貢献できていることに、TOMONI®プロジェクトの影響力の大きさを感じます。
成果とやりがい
成果とやりがい
J.I
J.I
確かにTOMONI®は発電所向けのサービスなので、電力の安定供給への絶対的な影響があります。設備の故障や不具合を事前に検知して発電所を止める時間をいかに短く抑えるかが、安定的な電力供給を大きく左右します。また現在、カーボンニュートラルの実現に向けて水素発電の実証が行われていますが、蓄積されたデータによってどのくらい脱炭素化に貢献できるのか、TOMONI®を通じて監視していくことになります。さらに、ここで培われた技術やノウハウは発電所だけでなく、ロケットの打ち上げなど三菱重工が手掛ける航空・宇宙分野にも展開されています。今後も新たな展開・可能性を含め、持続可能な社会に向けた発展に関われることが、このプロジェクトに参加する醍醐味だと思います。
成果とやりがい
SECTION 05

展望

生成AIなどの最新技術動向もとらえ、さらなるTOMONI®の発展へ

M.F
M.F
まだ早いですが、開発のプロセスを一からすべて自分で完結できるようになることが近い目標なので、可能なかぎり多くの作業に関われるよう努めています。その先に、お客様の要件定義からプロジェクトに関わっていくためには、TOMONI®プロジェクトをはじめ三菱重工の製品やIT分野に関する知識やノウハウを身に付けていくことが求められます。お客様の要望に対してさまざまなアプローチの提案ができる、多角的な視野を持った開発者になれるよう、今後もチームの皆さんからいろんなことを学んでいきたいと思います。
Y.M
Y.M
お客様への提案機会が増えてきたなかで、提案のための引き出しの少なさが自分の課題だと感じています。というのも、すぐ側にそれを成し遂げている理想の先輩がいるからです。お客様の要望に対して、この方法なら実現可能だということをすぐに提案できるよう、生成AIなどの最新技術の動向に注視しながら、まずは自分の知見を深めていきたいと思っています。TOMONI®プロジェクトでは、蓄積されたデータを活用し、生成AIによる業務の自動化や効率化を図ることが今後の方針として掲げられているので、自分の技術力や提案力を磨き、その導入に携わることを目指しています。当社はお客様との距離が近く、良いものも悪いものもフィードバックを自分の成長につなげやすいことも魅力です。この強みを活かし、TOMONI®の発展に寄り添っていきたいです。
J.I
J.I
生成AIの導入については、お客様からも要望が高まってきており、最終的なゴールは何なのかというところから話し合いを始め、それに対応できる体制の提案を進めています。個人的には、デジタル技術による省力化により、人とのつながりやアイデアを最大限に活かせる業務をもっと増やしていきたいと考えています。そのためには、プログラム開発の技術力だけでなく、ネットワークやインフラなどの知識を広く組み合わせて、お客様に寄り添い提案できるコンサルティング能力が、今後いっそう求められるのではないかと思います。これからも個人個人の特性を見極めながら、次世代の人たちが挑戦できる機会を増やし、活躍できる人材を育てていきたいです。
展望
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